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法人向け不動産投資の節税対策!
節税効果が出やすい不動産とリスクを解説

法人で不動産投資を行うことは、法人税の負担を軽減する有効な方法です。
しかし、実際に法人税がどのように軽減されるのか、その仕組みについて詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

建物構造や新築、中古など、どの種類の不動産投資が節税になるのか、また不動産投資する際のリスクについても理解しておくことが大切。

本記事では、法人の不動産投資が節税になる理由や節税効果が出やすい不動産、節税を行う際のリスクなど、不動産投資に必要な知識をわかりやすく解説いたします。

法人の不動産投資で節税!鍵を握る「減価償却」とは?

法人が不動産投資を行うと節税が可能になるのは、減価償却が関係しています。

減価償却とは、建物などの資産が時間の経過とともに価値が下がるとみなし、その減少分を経費として計上できる仕組みです。

これにより、法人の利益を圧縮し、結果的に法人税負担を軽減できます。

建物は事業に使うことで、時間の経過とともに資産価値が減少すると考え、減った分を「減価償却費」として捉えます。

ただ、土地は基本的に年月が経っても下がらないと考えられているため、減価償却の対象外です。

減価償却と法定耐用年数の関係

減価償却費の計算で重要な要素のひとつが「耐用年数」です。
減価償却の取得価格は、その固定資産が使える期間にわたって分割され、経費として計上されます。この期間を「耐用年数」と言います。

耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で定められ、税法で使われる耐用年数は「法定耐用年数」として、建物の構造や用途により異なります。

事務所用・住宅用の法定耐用年数は、以下の通りです。

用途/構造木造木骨モルタル造SRC造・RC造
事務所用24年22年50年
住宅用20年20年47年

※1. SRC造=鉄骨鉄筋コンクリート造
※2. RC造=鉄筋コンクリート造

不動産の減価償却の計算方法とは?

減価償却費を計算するには、固定資産の取得価額と耐用年数に加えて、「償却方法」と呼ばれる費用の分割方法が必要です。

主な償却方法には、定額法と定率法の2つがあります。

定率法

定率法とは、毎期一定の率を未償却残高に乗じて減価償却費を計上する方法です。

定額法

定額法とは、固定資産の減価償却を毎年一定の金額で行う方法。毎期、同じ金額を減価償却費として計上します。

建物や建物附属設備、構造物(塀や花壇など)の減価償却方法については、平成28年度の税制改正により、「定額法」に統一されています。

そのため、ここからは具体的に「定額法」による減価償却費の計算方法を見ていきましょう。

新築不動産を取得した場合の計算方法

新築不動産を取得した場合の減価償却費は、次の計算式で算出できます。

建物の購入価格 × 償却率 = 減価償却費

例えば、木造の事務所を購入した場合、耐用年数は24年となります。 耐用年数24年の場合、償却率は定額法で0.042です。

この償却率を使って計算する場合、建物の購入価格が1,000万円だとすると、減価償却費は以下のように算出されます。

建物の購入価格1,000万円 × 償却率0.042 = 減価償却費50万円

詳細な償却率は、耐用年数や取得年度によって異なりますので、詳しくは以下のサイトをご確認ください。

参照:国税庁 減価償却資産の償却率等表

中古不動産を取得した場合の計算方法

中古不動産を購入した場合、減価償却費の計算方法は新築とは異なります。
築年数が法定耐用年数を超えているかどうかによって、計算式が変わります。

築年数が法定耐用年数を超えていない場合

築年数が耐用年数を超えていない場合の計算方法について説明します。
まず、耐用年数は以下の式で求められます。

(法定耐用年数-築年数)+(築年数×0.2)=耐用年数

例えば、鉄筋コンクリート造で築20年の事務所の場合、法定耐用年数は50年のため、残りの耐用年数は次のように計算できます。

(50年 - 20年)+ 10年 × 0.2 = 耐用年数32年

仮に事務所を5,000万円で購入した場合、定額法による減価償却費は以下の通りです。

5,000万円 ÷ 32年 = 約156万円

毎年、約156万円を減価償却費として経費として計上できます。

築年数が法定耐用年数を超える場合

築年数が耐用年数を超えている場合、計算式が少し異なります。
通常、耐用年数は法定耐用年数を基に算出されますが、築年数が法定耐用年数を超えている場合は、実際の使用年数を考慮し、次の計算式で耐用年数を求めます。

法定耐用年数 × 0.2 = 耐久年数(小数点以下切り捨て)

例えば、木造の事務所(法定耐用年数24年)を取得し、築年数が24年を超えている場合の耐用年数は以下の通りです。

24年 × 0.2 = 4.8年 → 4年(小数点以下切り捨て)

この場合、建物の取得価格を4年で減価償却することになります。

法人が不動産投資で経費計上できる主な項目

法人が不動産投資で節税を進める際には、建物の取得費用だけでなく、さまざまな経費を計上できます。

ここでは、法人が不動産投資で経費として計上できる主な項目を紹介します。

修理・現状維持を目的とした修繕費

修繕費は、設備や建物の修理・現状維持を目的とした費用であり、減価償却費ではなく通常の経費として計上できます。

ただし、工事費が20万円以内であることが条件となるため、注意が必要です。

使用期間を延ばす工事は資本的支出に該当

修繕や現状維持のための工事は資本的支出には該当しませんが、建物の価値を向上させたり、使用期間を延ばしたりする目的の工事は資本的支出とみなされます。

この場合、工事費が一定額以上であっても、一括で経費計上せず減価償却費として分割計上することになります。

工事が資本的支出に該当するのか、それとも修繕費として経費計上できるのかは判断が難しいため、その都度担当の税理士に確認するのがお勧めです。

管理会社への管理費とローンの支払利息

建物の管理業務を管理会社に委託した場合、その委託料は不動産の維持費として経費計上できます。

また、金融機関からのローンで建物を購入した場合、元金部分は資産計上されるため、経費にはなりません。
一方、ローンの支払利息は事業に関連する費用として経費計上が可能です。

各種税金や保険料なども経費にできる

不動産購入時にかかる不動産取得税や登記免許税などの税金、さらに火災保険料や地震保険料も、法人の事業に関連する費用として経費計上できます。

また、不動産の登記申請を司法書士に依頼したり、税務を税理士に依頼する場合、その依頼料も経費として計上できます。

専門家への依頼にかかる費用も法人の事業運営に必要な経費として、税負担の軽減につながります。

法人の不動産投資で節税効果が出やすい・出にくい物件

不動産投資では、減価償却を活用することで利益を圧縮し、税金を抑えられます。
ただ、節税効果が出やすい物件と出にくい物件があるため、物件選びが非常に重要です。

ここでは、節税効果が出やすい物件と出にくい物件について解説します。

木造や築古の不動産は節税効果が出やすい

不動産投資では木造や築古の物件、建物価格の割合が大きい物件を選ぶのが節税に有効です。

木造は鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて法定耐用年数が短いため、減価償却費を早く計上できます。
例えば、木造の法定耐用年数は22年ですが、鉄筋コンクリート造は47年。
耐用年数が短いほど、1年あたりの減価償却費が大きくなり、利益を圧縮しやすくなります。

また、減価償却は建物のみが対象で、土地は対象外です。
中古物件では、売主・買主の話し合いで土地と建物の価格割合を決めるため、建物価格を高く設定できれば、節税効果が高まります。

節税を意識した不動産投資では、これらのポイントを踏まえて物件選びを行いましょう。

新築や築浅の不動産は節税効果が出にくい

不動産投資による節税を考える際、物件の種類によっては効果が出にくい場合があります。

まず、鉄筋コンクリート造の物件は、木造に比べて法定耐用年数が長いため、1年あたりの減価償却費が小さくなります。

新築や築浅の物件も同様です。耐用年数が長いため、減価償却費が少なく、築古物件と比べて不動産所得を圧縮する効果が低くなります。

また、建物価格の割合が少ない物件は、節税には向いていません。
購入価格に占める建物価格の割合が低いと、計上できる減価償却費も少なくなるためです。
土地は減価償却の対象外であるため、建物の比率が低い物件では節税効果が薄くなります。

節税を意識した投資を行うなら、木造や築古物件など、減価償却を有効に活用できる物件を選ぶことが重要です。

法人が不動産投資する際の3つのリスク

ここまで読んで、法人が不動産投資を行うことは、節税対策として有効なのが理解できたかと思います。
ただ、メリットがある分、いくつかのリスクも伴います。

法人が不動産投資をする際の3つのリスクを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

1. 空室による収益減少

法人が賃貸マンションやオフィスビルを経営する場合、空室が発生する可能性があります。

特に、ローンを利用して物件を取得した場合、賃料収入で返済するのが一般的ですが、空室が増えると賃料収入が減少し、不足分を自社で補填しなければなりません。

対策としては、管理会社と家賃保証契約を結ぶ方法があります。
空室による収益減少をある程度防げますが、保証会社の倒産リスクも併せて考慮しなければなりません。

空室リスクを完全にゼロにするのは難しいですが、立地や物件の選定を慎重に行うことでリスクを最小限に抑えられます。

長期的に安定した収益を得るためには、事前に十分なリサーチを行いましょう。

2. 家賃滞納によるキャッシュフローの悪化

法人が不動産投資を行う際、入居者トラブルは避けられないリスクの一つです。
特に家賃滞納が発生すると、収益が途絶え、キャッシュフローが悪化する恐れがあります。

滞納が続くと、法的手続きを踏んで退去を求める必要があり、その過程で弁護士への相談や裁判費用などが発生。
これらの負担を軽減するためには、入居者審査を厳格に行うことが重要です。

具体的には、雇用状況や信用情報の確認を徹底し、支払い能力の低い入居者を事前に排除するのが効果的です。

入居者トラブルを未然に防ぐことで、安定した不動産運用を実現できます。

3. 不動産売却時、長期譲渡税率が適用されない

不動産を売却する際、譲渡所得には税金がかかります。

個人の場合、5年以上保有した不動産の売却には長期譲渡税率が適用されますが、法人には所有期間に関わらず30%前後の法人税が課せられます。

不動産を保有し続けるだけでなく、将来的に売却を考えている場合は、売却益にかかる税金も考慮した収支のシミュレーションが重要。

税金の影響を事前に把握することで、投資の収益性を正確に見極め、適切なタイミングで売却を判断できるように準備しておきましょう。

法人が不動産投資する節税以外の2つのメリット

法人の不動産投資は、節税目的だけでなく、経営戦略の一環としても非常に有効な手段です。

法人が不動産投資を行う節税以外の2つのメリットを解説します。

1. 安定した固定収入を得られリスクヘッジにつながる

不動産投資は節税効果だけでなく、安定した固定収入を得る手段としても有効です。

賃貸業を行う場合、借主が見つかれば毎月一定の家賃収入が得られ、経営上のリスクヘッジにも繋がります。

景気の変動や一時的な業績不振などがあっても、賃貸収入があれば安定したキャッシュフローを確保できます。

この安定した収益は、突発的な支出や他のビジネスの不安定さを補い、法人の財務を支える役割を果たします。

不動産投資は、経営リスクを分散しながら安定的な収益を得られる有力な方法の一つと言えるでしょう。

2. 経営状況に応じて利益と損失を調整できる

不動産投資には利益や損失を調整できるメリットもあります。

例えば、法人税を抑えたい場合、過剰な利益を減らすために修繕工事を行い、その費用を経費として計上することで、利益を圧縮できます。

また、事業の売上が思わしくない場合、短期的にキャッシュを確保するために不動産の売却を検討することも一つの手です。
不動産を売却することで、短期間で利益を増加させ、経営を安定させられます。

このように、経営状況に応じて利益と損失のバランスを調整できる点が、法人が不動産投資を行う節税以外の大きなメリットです。

法人の不動産投資による節税は税理士に相談しよう

法人の不動産投資は、節税対策として有効な手段ですが、減価償却費の計算方法やどの費用が経費として認められるかには細かな規定があり、専門的な知識が求められます。

また、不動産投資には節税効果がある一方で、管理費や修繕費、空室リスクなど予期しない支出のリスクも存在します。

これらを適切に管理するためには、税務や財務に詳しい税理士に相談することをお勧めします。

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