この記事では税理士経験10年以上のベテラン税理士がクラウド会計のメリットとデメリットをわかりやすく解説いたします。
「クラウド会計は便利ってよく聞くけど、導入するメリットがよくわからない」と迷っている方向けの記事です。
また、クラウド会計導入前によくある誤解も合わせて解説していきます。
まずはクラウド会計ソフトが、どんなソフトかおさらいしていきましょう。
クラウド会計ソフトは、インターネット上で利用する会計ソフトです。
従来の会計ソフトと大きく違うのが、パソコンにインストールする必要がないこと。
インターネットに繋がる環境とパソコン・スマホがあれば、いつでもどこでも記帳や会計データを確認できます。
インターネット上で利用するクラウド会計ソフトですが、導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。
導入時のメリット先にざっとお伝えすると、下記6つです。
クラウド会計ソフトを導入する最も大きなメリットが、記帳する手間を大幅に削減してくれること。
クラウド会計ソフトの機能はソフトによって異なりますが、どのクラウド会計ソフトにも、記帳のあらゆる手間を削減してくれる多くの機能がついています。
特に銀行口座やクレジットカードなどのデータと連携して、自動で仕訳・記帳してくれる機能は記帳の手間を大幅に削減してくれます。
現金でのやり取りも領収者や請求書などを写真に撮影すると、データ化して自動で仕訳・記帳してくれるクラウド会計ソフトもあります。
また、経理の知識がない方向けに難しい仕訳の設定をサポートしてくれたり、記帳内容をAIが学習して勘定科目を提案してくれる機能もあります。
法改正があると、改正内容に対応した新しいバージョンの会計ソフトを使う必要があります。
そのため、従来の会計ソフトは法改正があるたびに再インストールする必要がありました。
ただ、クラウド会計ソフトは常にバージョンアップされた状態でインターネ上にあるため、再インストールの手間は不要です。
クラウド会計ソフトは、インターネットに繋がる環境とパソコン・スマホがあれば、いつでもどこでも記入できます。
各クラウド会計ソフトごとにスマホアプリがあるため、スマホからでも入力・確認しやすくなっています。
そのため、外出先で発生した現金のやり取りもすぐに記帳できます。
また、複数人が同時に使うことも可能です。
顧問税理士の方とお電話で、同じデータを見ながらの打ち合わせも簡単にできます。
クラウド会計ソフトに入力したデータは、インターネットを通してデータセンターに保存されます。
そのため、端末を失くしたり、落としたりしても会計データが消える心配はありません。
また、クラウド会計ソフトの会計データは自動的にバックアップデータが複数作成されるため、データが消える可能性も非常に低いです。
従来の会計ソフトはある程度経理の知識や実務経験がある方向けに作られていました。
ただ、クラウド会計ソフトは経理の知識や実務経験がない方向けに作られているソフトが多いです。
そのため、専門用語が少なく、どこに何を入力すれば良いか誰でもわかりやすくなっています。
また、入力サポートも充実しているため、自分で記帳するハードルはかなり下がります。
クラウド会計で手間を削減できるのは記帳だけではありません。
決算書・確定申告書の作成も簡単にできます。
など、作成をサポートしてくれる機能はかなり便利です。
ここまで解説させていただいたとおり、クラウド会計を導入すると経理にかかる時間や手間が大幅に削減できますし、経理の知識がなくても記帳・書類の作成がしやすくなります。
ただ、クラウド会計ソフトにもデメリットがあります。
クラウド会計のデメリットを先にざっとお伝えすると、下記5つです。
従来の会計ソフトはソフト自体を購入して利用します。
クラウド会計ソフトは、月額料金を支払って利用する形になります。
そのため、クラウド会計ソフトは使い続けるかぎり、ランニングコストがかかります。
クラウド会計ソフトの自動仕訳や自動入力はとても便利ですが、導入時の設定を間違えると正しい決算書や確定申告書ができず、最悪の場合は税務調査が入ってしまいます。
ただ、
は税務の知識がないと正しく設定するのは難しいと思います。
顧問税理士がいる方は、導入時に仕訳や勘定科目についてご相談することを強くおすすめいたします。
クラウド会計ソフトには、向いている業種・不向きな業種があります。
現金でのやり取りが多い業種は、クラウド会計ソフトを導入しても経理の手間をあまり削減できません。
また、複雑な会計処理が必要な業種はクラウド会計ソフトでは対応できない場合があります。
先ほどお伝えしたように、クラウド会計ソフト導入時に税理士のサポートが必要になるケースがあります。
ただ、クラウド会計ソフトは比較的新しいサービスのため、対応できる知識を持った税理士の方は多くはありません。
顧問税理士がクラウド会計に対応できないため、断念するケースもよくあります。
クラウド会計ソフトは、インターネット上で利用するソフトのため、ネットに繋がっていない状況では利用できません。
そのため、これまでネット環境がない場所で記帳をされていた方には不便に感じるかもしれません。
クラウド会計のデメリットで特に気になるのは、「ランニングコストがかかる」ということではないでしょうか。
また、「インターネット上のソフトを利用するのはセキュリティが心配」という方も多いかと思います。
ただ、この2つの懸念は実は誤解なんです。
ここからは、クラウド会計の導入を検討されている方のよくある誤解を解いていきます。
「会計ソフトはずっと使うものだから、クラウド会計ソフトを使う方がお金がかかる」と思っている方は少なくありません。
確かにソフト代だけで言えば、トータルの金額はクラウド会計ソフトの方が高いかもしれません。
しかし、経理にかかるコストはソフト代だけではありません。
記帳する人の人件費も経理にかかるコストです。
クラウド会計ソフトは自動入力・仕訳などの便利な機能によって、人件費を大幅に削減できます。
そのため、人件費も含めると結局はクラウド会計ソフトを使った方が安く済むケースが多いです。
「インターネット上に会計データを保存するのは、ちょっと心配」という声もよく聞きます。
ただ、クラウド会計ソフトのデータはハッキングされないように金融機関と同等のセキュリティで保護されており、データを保存するデータセンター自体の警備も厳重です。
100%安全とは言えませんが、会社や事務所に会計データが入ったパソコンを置くよりも会計データが漏れたり盗まれる心配はないと思います。
確かに記帳や書類を作成するだけであれば、税理士はいらないと思います。
ただ、税務の専門的な知識がないと、税務リスクは高くなります。
税理士に確認せず、自分だけで決算書や確定申告書を作成すると、税務調査が入る可能性が高くなりますし、節税対策も不十分になって不要な税金を支払ってしまいます。
自分で記帳するのであれば、税理士への相談料も抑えられるので、決算前や確定申告前だけでも税理士に相談してください。
当税理士事務所では、お客さまに必要なサービスだけをご提案し、価格も適正な価格でご提供できるように心がけております。
また、クラウド会計ソフトの導入・導入後のサポートも可能です。
クラウド会計を導入しても税理士が必要な理由を、もっと詳しく知りたい方はこちら
クラウド会計ソフトの導入メリットが大きいのは、
という方です。
逆に導入するメリットが少ないのは、
という方です。
クラウド会計ソフトは基本的には便利なツールで、経理にかかる時間・手間・コストを削減してくれます。
特に現金でのやり取りが少ない個人事業主の方なら、クラウド会計ソフトを導入することで本業に集中できる時間が増えて、効果を実感できるはずです。
ただ、クラウド会計ソフトを使ったからといっても、完璧な決算書や確定申告書ができるわけはありません。
クラウド会計を使って、ご自身で作成された決算書や確定申告を拝見すると、すぐにおかしい箇所に気がつくことも多くあります。
また、クラウド会計ソフトは節税対策の提案もしてくれません。
税務調査が入るリスクをなるべく減らしたい方やできる限り節税したい方は、クラウド会計を活用しても税理士にご相談することをオススメします。
クラウド会計を活用して浮いたコストで、税理士に節税の相談をすれば、トータルで見ると支出が減るかもしれません。
クラウド会計を導入するデメリットで「クラウド会計に対応している税理士が少ない」とお伝えしました。
そのため、クラウド会計ソフトの利用を前提とした税理士探しは難しいのでは、とお考えの方も多いかもしれません。
でもご安心ください。
このサイトを運営している森福税理士事務所なら、クラウド会計ソフトの導入から導入後のアフターフォロー、クラウド会計ソフトを活用した税務顧問に対応可能です。
もちろん、森福税理士事務所が選ばれている理由はそれだけではありません。
これから紹介する3つの理由も、森福税理士事務所が選ばれている理由です。
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